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国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 健康・医療戦略の推進に必要となる研究開発 平成29年度採択
2017-12-28

老化機構・制御研究拠点

拠点の概要
 これまで分子レベルから個体レベルまで様々な階層で老化研究が行われてきた。その結果、種を超えて保存された老化・寿命制御機構の存在が明らかになり、さらに細胞レベルでの老化(細胞老化)が個体老化に伴う生体機能の低下や老化関連疾患の発症に深く関与していることも明らかになりつつある。老化・寿命の制御機構を解明し、細胞老化の誘導を人為的に制御できるようになれば、老化の進行を遅らせ、健康寿命の延伸につながると期待される。

本研究開発拠点では、現在は断片的にしか明らかになっていない老化・寿命制御の基本メカニズムの全容解明を通して、ヒトの老化の進行を制御しうる方法の開発につながる発見を目指す。本目標を達成するために必要な優れた解析システムと卓越した研究実績を有する研究者を集結し、以下の2つの研究項目を強力に推進するチームを構成した。さらに、本事業の「個体・臓器老化研究拠点」「老化研究推進・支援拠点」とも有機的に連携し合うことで、老化研究のブレークスルーにつながる大きな発見をねらう。

 

[研究項目1] モデル生物を用いた個体老化の基本メカニズムの解明
1) 個体老化速度の制御機構の解明:
遺伝的要因や環境要因による老化速度制御機構、さらには老化臨界期を決める体内機構を解明する (西田、三浦正幸)。

2) 個体老化の進行機構の解明:
オートファジーと老化の関係、加齢に伴う再性能低下を誘導する老化進行機構、細胞集団のクオリティ-コントロールによる個体老化制御機構、加齢に伴う睡眠の質的変化と個体寿命の関連性、さらにはマウス雌雄生殖細胞の老化メカニズムを解明する(吉森、久本、井垣、佐藤、伊川)。

3) 個体老化の人為的制御法の解明:
短命小型魚類ターコイズキリフィッシュにおける個体老化プログラムとその制御法、さらには長寿齧歯類ハダカデバネズミの老化耐性機構とその制御法を解明する(石谷、三浦恭子)。

 

[研究項目2] 加齢に伴う細胞老化の誘導機構とその個体老化との関係解明
1) 細胞老化誘導ストレスの解明:
生体内において細胞老化を誘導するストレスの実体とその作用機序を解明する(原、一條)。

2) 細胞老化に伴うゲノム不安定性とその老化における役割の解明:
DNA損傷応答がレトロエレメントの発現を介してゲノムの不安定性を引き起こし、各種細胞機能の低下と疾患発症に関わる分子機構を解明する(塩見、中西、水谷、南)。

3) SASPの制御と役割の解明:
老化細胞が分泌するSASP因子の役割と制御機構を完全に理解する(木村、中西、原)。

4) 免疫老化と個体老化の関係解明:
加齢に伴う免疫系の異常と個体老化の関係を解明する(濱崎、原)。

 

 

構成メンバー

【研究開発代表者】
拠点長 原 英二(大阪大学 微生物病研究所 教授)
研究開発課題名:「加齢に伴う細胞老化誘導機構の解明とその制御」

【研究開発分担者】
副拠点長 西田 栄介(京都大学 大学院生命科学研究科 教授)
研究開発課題名:「老化速度制御の基本機構

久本 直毅(名古屋大学 大学院理学研究科 教授)
研究開発課題名:「若さを積極的に喪失させる機構」

三浦 正幸(東京大学 大学院薬学系研究科 教授)
研究開発課題名:「老化臨界期を決める体内機構」

井垣 達吏(京都大学 大学院生命科学研究科 教授)
研究開発課題名:「細胞集団のクオリティ-コントロールによる個体老化制御の遺伝的基盤」

石谷 太(群馬大学 生体調節研究所 教授)
研究開発課題名:「個体老化プログラムとその制御」

吉森 保(大阪大学 大学院生命機能研究科 教授)
研究開発課題名:「オートファジーによる寿命延長機構」

佐藤 亜希子(国立長寿医療研究センター プロジェクトリーダー)
研究開発課題名:「視床下部による睡眠調節を介した中枢性老化制御機構」

伊川 正人(大阪大学 微生物病研究所 教授)
研究開発課題名:「マウスを用いた雌雄生殖細胞老化機構」

三浦 恭子(熊本大学大学院生命科学研究部 准教授)
研究開発課題名:「老化耐性ハダカデバネズミ特有の細胞老化/細胞死調節機構」

一條 秀憲(東京大学 大学院薬学系研究科 教授)
研究開発課題名:「物理化学的ストレスに起因する老化制御シグナル伝達機構」

南 康博(神戸大学 大学院医学研究科 教授)
研究開発課題名:「加齢に伴う細胞形態・運動制御の異常の分子機構」

中西 真(東京大学 医科学研究所 教授)
研究開発課題名:「細胞老化誘導・維持・除去機構と個体老化における役割」

塩見 春彦(慶應義塾大学 医学部 教授)
研究開発課題名:「トランスポゾン転移による老化機構の解明」

木村 友則(医薬基盤研究所 プロジェクトリーダー)
研究開発課題名:「老化におけるオートファジー分泌機構」

濱崎 洋子(京都大学 iPS細胞研究所 教授)
研究開発課題名:「T細胞老化機構とそれに基づく個体老化機構」

水谷 清人(神戸大学 大学院医学研究科 特命講師)
研究開発課題名:「神経細胞の老化機構」

 

 

拠点全体の概要は こちら

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