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国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 健康・医療戦略の推進に必要となる研究開発 平成29年度採択
2017-12-28

老化研究推進・支援拠点

老化研究推進・支援拠点形成の背景と目的
高齢者の機能低下、機能障害、疾患発症の最大のリスクファクターは老化である。今や高齢化は先進国のみならず発展途上国においても急速に進行しており、老化は人類が21世紀に対処すべき最大の課題の一つとなっている。先進国では、多年にわたり老化疾患の病態解明と治療法の開発に取り組んできたが近年の老化・寿命制御研究の急速な進展を背景に新たな方向を打ち出しつつある。すなわち、“老化遅延、健康長寿を実現し、老化疾患の発症、老化に伴う機能低下を抑える”との方向性である。一方、我が国においては、これまで臨床研究を指向した老化関連疾患研究プロジェクトは行われてきたが、基礎老化研究の振興とその成果に根ざした健康長寿の実現を総合的に支援するプロジェクトは実施されてこなかった。結果として、個別に得られた優れた成果も統合的な取り組みへと発展する機会が得られず、また、老化研究を担う研究者を体系的に支援、育成する機会もなかった。このような中で、多くの関係者の努力と支援が実を結び、「AMED老化メカニズムの解明・制御プロジェクト」を立ち上げることとなった。 ところが、老化研究には(1)老化は、遺伝的要因、環境的要因等が複雑に絡み合う現象であり、(2)老化にともなう変化が徐々に起こり、しかも個体差が大きく、かつ(3)研究対象が分子、細胞、組織、臓器、個体の各階層におよび、(4)長期的解析、集団の解析(特にヒトの場合)が必要であることなどの困難性がある。そこで、AMED老化メカニズムの解明・制御プロジェクトでは、研究開発拠点と共に研究推進・支援拠点を立ち上げ、老化研究の困難性を克服し、老化・寿命制御研究の速やかな進展をサポートすることとなった。

老化研究推進・支援拠点の具体的な活動
[課題I] 老化研究プロジェクトの統括、連携推進、老化研究の拡充、成果の発信
(A)“老化メカニズムの解明・制御プロジェクト”全体を統括し、リトリート、報告会などをとおして研究者間の情報交換、連携促進を図る。また、「全ライフコースを対象とした個体の機能低下機構の解明」プロジェクトで採択されたメンバーとの連携、研究支援を通して老化研究基盤の拡充、次世代老化研究者の育成に取り組む。

(B)我が国の老化研究機関や理化学研究所の老化研究プロジェクトと連携して老化研究のオールジャパン体制の構築に取り組む。また、国際連携、産業界との連携を図る。

(C)シンポジウムの開催、広報活動等により研究成果を発信し、老化研究支援の拡充を図る。

[課題II] 研究支援、技術支援
(A) 加齢動物供給/寿命解析支援
(1)スタンダードな老化・寿命研究ストラテジーを提案し、支援方針へと反映させる。(若菜、鍋島)
(2)加齢マウスを系統的に飼育し、配布する仕組みを構築する。(若菜、鍋島)
(3)マウスの寿命を統一的に解析するための支援システムを構築する。(尾池)

(B) 解析技術支援 
(1)多様な老化指標(病理組織・病態解析、生理、生化学的指標)の解析を支援する。(豊國、田村、尾池)
(2)メタボローム解析の支援、新規メタボローム解析技術を開発し、支援の高度化を図る。(清野、杉浦)
(3)超微形態解析、電子顕微鏡による微細構造解析を支援する。(内山、岡部、藤本、溝口)
(4)遺伝子編集技術により老化機構解析用マウスの作成を支援する。(髙橋)
(5)複雑なデータの統計解析と膨大な生物データを老化研究に活用するための支援を実施する。(清田、川上、沖)

 

構成メンバー
【研究開発代表者】
拠点長 鍋島 陽一(公益財団法人先端医療振興財団・先端医療センター・センター長)
研究開発課題名:「老化研究プロジェクトの統括と推進、ならびに動物実験を中心とする研究・技術支援」

【研究開発分担者】
副拠点長 高井 義美(神戸大学 大学院医学学研究科特命教授)
分担研究開発課題名:「老化研究推進支援拠点の形成」

尾池 雄一(熊本大学大学院生命科学研究部教授/ センター長)
分担研究開発課題名:「統一化、標準化された老化・寿命研究支援システムの構築・推進」

豊國 伸哉(名古屋大学大学院医学系研究科教授)
分担研究開発課題名:「病理形態解析支援」

田村 勝(理化学研究所バイオリソース研究センター)
分担研究開発課題名:「老化マウスの生理、生化学的指標の解析支援」

清野 進(神戸大学大学院医学研究科特命教授)
杉浦 悠毅(慶應義塾大学医学部専任講師)
分担研究開発課題名:「メタボローム解析支援・技術開発」

内山 安男(順天堂大学医学部特任教授)
岡部 繁男(東京大学医学研究科教授)
藤本 豊士(名古屋大学医学研究科教授)
溝口 明(三重大学医学研究科教授)
分担研究開発課題名:「電子顕微鏡による微細構造解析支援」

高橋 智(筑波大学医学医療系/トランスボーダー医学研究センター/生命科学動物資源センター教授/ センター長)
分担研究開発課題名:「ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変マウスの作成」

清田 純(理化学研究所・統合生命医科学研究センター上級研究員)
分担研究開発課題名:「遺伝子発現解析支援」

川上 英良(理化学研究所・医科学イノベーションハブ推進プログラム上級研究員)
分担研究開発課題名:「統計・ネットワーク解析支援」

沖 真弥(九州大学大学院・医学研究院・発生再生医学分野助教)
分担研究開発課題名:「ゲノム情報の機能的アノテーション解析支援」

 

 

拠点全体の概要は こちら

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